ヒトの２卵割卵の割球は互いに異なっており、少しの入り混じりは起こるものの片方が将来体を形成するepiblastに分化しもう一方はそれ以外の卵黄嚢とか胎盤とかに分化してゆくということが報告されました。蛍光色素を片方にinjectionしてその後の運命をたどるという昔ながらの方法のように見えるのですが、、、、 昔はこんなに詳細に追跡できる装置・技術がなかったからわからなかったのかもしれません。このあたりなにかご存知の方がおられたら教えて下さい。

この論文が私にとって驚きなのは、4細胞卵の割球を4つに分けてそれぞれを培養して移植すると、子供ができることがマウス等で示されていたからです。 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8160171/

もしもIVFをやって受精卵が一つしか取れなかった場合４卵割卵の個々の割球から4つの受精卵を作って着床のチャンスを上げることができるかもしれませんし、移植の時期をずらせると受精卵一つから年齢違いの双子を得ることも可能になります。ヒトでもこのようなことが可能か試しているグループがありますが、いまのところうまくいくという報告はないようです。一旦不等分割して異なる遺伝子発現の状態になっている２セル卵を再度１セルの受精卵の状態に戻すという過程が必用だとするとそれがうまくいきにくい原因なのかもしれませんね。

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